<日常ミステリー小説>軽い気持ちで読める日常の謎ジャンルの厳選おすすめ小説

  • 2020-03-25
  • 2020-03-25
  • 雑記
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小説における日常の謎・日常ミステリーとはその名の通り普段なら気づかない日常の細やかな謎を解いていくものです。

例えば、「なくなった筆箱は学校内のどこにあるか。」、「この古本はどういう経緯でこのお店に置かれているのか。」、「コーヒーを盗んだのは誰か」etc…

上の例のようにこのジャンルの大抵の小説には鬼畜な殺人事件やどろどろした恋愛はなく、解かなくてもいい謎をときどき純粋な軽い恋愛をはさみながら解いていく物です。

仕事の合間や勉強の間に軽い気持ちで読め、読んだ後の後味がよい日常の謎ジャンルの小説を紹介したいと思います。

 

ビブリア古書堂の事件手帖

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない、若くきれいな女性だ。だが、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。

だが、古書の知識は並大抵ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。

これは栞子と奇妙な客人が織りなす、”古書と秘密”の物語である。

ビブリア古書堂の事件手帖公式サイトから引用

一番最初に紹介するのは、ドラマ化や映画化もされた本編7巻&番外編一巻からなる日常の謎・ミステリージャンルの中で一番有名な作品の「ビブリア古書堂の事件手帖」です。

古書店の店長である栞子さんとバイト店員である大輔が古書をめぐった数々の謎を栞子さんの圧倒的な知識を使いながら解いていくミステリです。古書を知らなくても作中で詳しく説明してくれるので心配ありません。

また、栞子さんと大輔の初々しい恋愛模様も見どころです。

シリーズ最初は細かい謎を解いていき、シリーズ終盤になると次第にスケールが大きくなっていきます。シリーズを通して一貫した軸があるので読者が置いて行かれることはありません。また、本編のその後を書いた番外編も期待を裏切ることなくいい作品でした。

 

 

珈琲店タレーランの事件簿

京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅惑的な女性バリスタ・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去がありー。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。

楽天ブックスより

第10回『このミステリーがすごい!』で大賞最終候補にもなった実力のある小説。コーヒー好きの主人公が偶然見つけた珈琲店で理想の珈琲に出会い、その店の女性バリスタと日常の謎を解いていきながら中を深めるという内容です。

京都というロケーションもこの作品の独特の雰囲気を出しています。コーヒー好きな人はもちろんおすすめの小説ですがコーヒーをあまり飲まない人でも十分に楽しめる作品になっています。

ビブリア古書堂の事件手帖と似たような作風で、コーヒーという専門ジャンルの知識を惜しみなく使い日常の謎を解いていきます。ただ、合う人と合わない人がいるようで読んでみないと分かりません。心配な人は上に書いたビブリア古書堂の事件手帖を読み終わった後に珈琲店タレーランの事件簿を読むことをおすすめします。

 

氷菓(古典部シリーズ)

何事にも積極的に関わろうとしない「省エネ主義」を信条とする神山高校1年生の折木奉太郎は、姉・供恵からの勧めで古典部に入部する。しかし、古典部には同じ1年生の千反田えるも「一身上の都合」で入部していた。奉太郎とは腐れ縁の福部里志も古典部の一員となり、活動目的が不明なまま古典部は復活する。そして、えるの強烈な好奇心を発端として、奉太郎は日常の中に潜む様々な謎を解き明かしていく。

wikipediaから引用

京都アニメーションの手によってアニメ化もされた作品で私の超お気に入り作品。初めて本の表紙を見たときは堅苦しい題名や写真で手を出せづにいましたが、いざ中身を読んでみると真逆で超ライトな作品でした。

ひねくれている主人公が千反田えるや他の部員とともに学校内や学校外で起こる日常の謎を解いていく物語です。笑える場面や少し考えさせられる場面など一つの文学作品としても楽しめる小説です。

殺人事件や殺傷事件がまず起きることはなく、軽い気持ちで読み進めることができます。また、古典部員の心情の変化や関係性の変化をシリーズを読み進めていくごとに感じることができます。

アニメも超高評価なのでぜひ見てください!

 

 

春期限定いちごタルト事件(小市民シリーズ)

自身の本性によって手痛い思いを経験した中学時代を過ごしてきた船戸高校新1年生の小鳩常悟朗と小佐内ゆき。彼らは自らの性癖をひた隠し、「小市民」として日々の安寧を目指すため、困ったときには互いを言い訳に利用する互恵関係を築いていた。しかし常悟朗は、目の前に現れた問題事に対して図らずも抑えていた推理癖を発揮し、謎を解き明かしていくことになる。しかし、その中で小佐内の身には自転車が盗まれる事件が発生、その事件が思いもよらない形で2人を巻き込んでいく。

Wikipediaより引用

古典部シリーズと同じ作者が書いている作品でこちらも日常の謎を扱っています。高校1年生の少し変わっている2人小鳩君と小佐内さんが主なキャラクターで論理的な解決とまさかという真相があり、解決する時が待ち遠しくなる作品です。

登場人物が確執したキャラをもっていてコミカルで見ていて楽しい場面もあれば、どうしようもない悩みや切ない雰囲気もあり古典部シリーズとはちがったこの作品特有の独特な作風があります。

 

異人館画廊

絵画に隠された謎に迫る美術ミステリー!

生死や感情を象徴するモチーフを絵画にして、それを見た者の無意識下に働きかける技法、図像(イコン)。英国で図像学(イコノグラフィー)を学んだ千景は、画廊を経営する祖父の死に際し帰国するが・・・。幼馴染みの透磨とともに、絵画に隠された真実に迫る。

(著者:谷 瑞恵)

オレンジ文庫より引用

幼いころに恐ろしい体験をしそのころの記憶がない主人公の千景がむかし仲の良かったらしい透磨やキューブとグループとともに図像学に関する事件をイギリスで学んだ図像学にを活用して解いていく物語です。

日常の謎・ミステリージャンルとは少し違い殺人級の事件もおこるのが特徴。しかしどろどろした描写はなく1事件1巻解決ですっきりする作品。2020年3月時点では6巻ありまだ続くことが予想されます。

似た作品は掟上今日子の備忘録で過去におこった大事件を軸としながらシリーズが進む。

 

 

万能鑑定士Qの事件簿

沖縄の波照間島に育ち、高校までは万年学年最下位だった天然の美少女・凜田莉子(りんだ りこ)が、上京をきっかけにその奔放な感受性を生かした勉強法を伝授され、たちまち広範囲の知識を身につけてディスカウントショップ買い取りコーナーの花形鑑定員となる。そして20歳で独立し、「万能鑑定士Q」なる店を持つ。やがて23歳になった莉子は、高度な「ロジカルシンキング」を駆使し、店に持ち込まれる多種多様な依頼品の鑑定を発端として事件解決に乗り出す。

Wikipediaより引用

あまり頼りがいがない男性主人公と万能鑑定士&美人である凜田莉子が日常の謎を解いていく作品。この作品が「人の死なないミステリ」というジャンルを確立させました。

しかしシリーズ序盤にかなりスケールの大きい事件が起こり日常を求めている読者は置いて行かれる可能性があるので最初のほうだけは気を引き締めて読んだほうがいいと思います。シリーズ中盤からは置いて行かれることはないと思います。

凜田莉子の過去も詳しく書かれていて深く共感することができます。

 

空飛ぶ馬(私と円紫師匠シリーズ)

日常の謎ジャンルの中で一番歴史が古くこのジャンルを語る上では読みとばせない作品。女子大生である「私」がもちかけた日常の謎を師匠がスッキリどんどん解いていくのを繰り返す物語です。

また「私」と師匠とのほっこりする話もこの物語の醍醐味です。

ただこの作品に対する評価や好き嫌いが読者によってはっきり分かれていて実際に読んでみないとわからないです。

 

最後に

何冊か私のおすすめを紹介しました。日常の謎・ミステリージャンルの小説は気軽に読めてほっこりできる良いジャンルです。

追記予定なのでまたのぞいてくださいね!